現在、AGA(男性型脱毛症)の治療でメインとなるのは、プロペシアなどフィナステリド製剤です。
そのプロペシア。
病院に行かないともらえないし、病院代と薬代を合わせると結構高い…。
忙しくて病院に行く時間がないという方も多いはず。
今回紹介するのは、プロペシアのジェネリック医薬品扱いとなる、フィンペシア。
個人輸入できる医薬品なので、病院に行かなくても買うことができます。
フィンペシアの効果や副作用、飲み方や注意事項について解説していきます!
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フィンペシアの成分解説
成分 | フィナステリド1mg・酸化チタン |
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製造元 | Cipla社(インド) |
主成分
フィンペシアの主成分は、フィナステリドという成分です。
- 男性ホルモンである、ジヒドロテストステロン(DHT)を減らす効果がある
- 元々は前立腺肥大症や前立腺がんの治療に使われていた
- 多毛という副作用が見られたため、脱毛症の薬として再研究され現在に至る
フィナステリドは1mg毎日継続服用することで、AGAに効果があることがわかっています。
添加物
通常医薬品を作るには基剤・懸濁化剤・コーティング剤・賦形剤など様々な添加物が必要です。
フィンペシアに配合されている酸化チタンは、国内で流通している医薬品にも配合されているとても一般的な添加物。
錠剤の添加物として摂取する程度なら、人体に影響は全くありません。
情報が少ないのはちょっと残念ですね。
フィンペシアはプロペシアのジェネリックではない
医薬品の成分に対する特許が切れた後で販売される、元の薬(先発薬)と主成分が同じで値段が安い薬のこと
フィンペシアがプロペシアのジェネリック医薬品かというと、厳密には違います。
フィンペシアはインド製ですが、インドには医薬品成分に対する特許がありません。
そのためプロペシアの特許が切れる前から、フィンペシアは製造販売されていました。
ただ怪しげな薬ではなく、フィンペシアを製造しているシプラ社はアメリカやドイツなど10か国に製造施設を持ち、世界150か国以上に薬を輸出している大手製薬会社。
フィンペシアは日本国内でのジェネリック医薬品とは少し違いますが、プロペシアと主成分が同じで同様の効能効果を持っている薬であることには変わりないです。
AGA治療に欠かせないフィンペシア。日本皮膚科学会の推奨はAランク(強く勧める)
フィンペシアの効果は、主成分であるフィナステリドによるもの。
フィナステリドは、日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインにて、推奨度ランク5段階の一番上であるAランク(強く勧める)となっています。
参考:[PDF]男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンの影響が大きい
主なAGAの原因は、男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)がストレス・生活習慣や食生活・遺伝により多くなることです。
- テストステロンと5αリダクターゼという物質が結合して増える
- DHTが増えると脱毛→発毛というヘアサイクルが乱れてしまう
このDHTにより、まだ抜ける時期ではない毛が抜けたり、十分に毛が成長せず弱く細い毛が生えたりします。
5αリダクターゼは頭頂部や前頭部に多く存在しているため、AGAは頭のてっぺんや前から進行するというわけです。
フィナステリドが効く仕組み
DHTは男性ホルモンと5αリダクターゼがくっつくことで増えますが、フィナステリドはその2つが結びつくのを防いでくれます。
ストレスや生活習慣・遺伝などでテストステロンや5αリダクターゼが増えても、フィナステリドが2つが結びつくのを邪魔してくれるので、DHTは増えません。
DHTが減れば、少しずつヘアサイクルは元に戻ります。
一度抜けた毛根から新しく生えたり、細くなっている毛が元のように元気になるには時間がかかります。
ですが、長く続けることで、多くの人が発毛を実感できるのがフィナステリドの特徴です。
若く男性ホルモンが多い方ほど、薬の効果が出やすいです。
フィンペシアの飲み方。初期脱毛に驚かず、続ける事が大切
フィンペシアの効果を最大限に発揮させるための飲み方を、お伝えします!
すぐには効かないので、根気よく飲む
国内で日本人男性のAGA患者に対する実験が2006年に行われています。
それによると、約3年半のフィナステリド1mg服用で、全体の87.1%が発毛を実感しAGAの症状が改善したそう。
参考:アンドロゲン性脱毛症患者3177人におけるフィナステリド1 mgの有効性と安全性の評価
別の実験では半年間の服用で、およそ40%に回復が見られました。
フィンペシア(フィナステリド)を長く、根気強く続けた場合、AGA患者に対し9割近い効果を出している。
飲み始めから3か月経過後くらいで「抜け毛が減った気がする…」と感じ、半年後くらいに「増えたかも…」というペースが大半。
2~3か月飲んで「全然生えてこない!」と飲むのをやめてしまうのは、その間の努力やお金を無駄にし、そのままAGAは進行してしまいます。
副作用が出ない限りは、1年後の結果を見るつもりで根気よく続けましょう。
- 半年経っても全く何も変化が出ていない
- むしろ脱毛が進行している
上記の場合は、AGAではない可能性があります。
初期脱毛に驚いてやめないこと
フィンペシアなどフィナステリド製剤を飲んだとき、初期脱毛と言って、最初の1~2か月の間に抜け毛が増えることがあります。
- 服用により発毛が促されて新しい毛が育ち、その上に生えていた弱く細い毛が抜け落ちることが原因
- 症状が出るかどうかには個人差があり、今までの2倍ほど毛が抜ける場合もある
そのまま飲み続けるようにしてください。
初期脱毛に驚いて服用を止めると、ただ脱毛量が増えただけになり、前よりも毛量が減った状態で止まってしまう可能性があります。
必ず1日1回飲むこと
フィナステリド製剤の用法は「1日1回1錠」です。
食事には関係ないので、起床時や就寝時など忘れにくいタイミングを決めましょう。
ただしフィナステリドは飲んでから1日経つと、身体から薬の成分がほとんど抜けてしまいます。
服用と服用の間隔は、12時間あいていれば大丈夫です。
丸1日忘れてしまった場合は1回分飛ばして、2日分いっぺんに飲むのは避けてください。
ミノキシジルと併用すること
AGA治療には、フィナステリドの内服が推奨度Aランクとなっているとお伝えしましたが、ミノキシジルの外用も同様にAランクです。
- フィンペシアなどフィナステリドは、脱毛を抑制する薬
- リアップやフォリックスFRなどミノキシジルは、発毛を促進する薬
脱毛抑制と発毛促進を同時に行うことで、よりAGAを改善させられる可能性が高いです。
個人差はありますが、ミノキシジルと併用した方が発毛を実感できるまでの期間が短くなります。
フォリックスFR07の効果を解説!ミノキシジル初心者におすすめです
フィンペシアの副作用。精力減退がネック
フィナステリドの副作用4つをご紹介します。
フィナステリド(フィンペシア)で起きる可能性がある副作用4つ
生殖器障害
フィンペシアの副作用として、一番頻度が高いのがリビドー減退(性欲減少)です。
- 性欲減少(服用患者全体の1~5%)
- 勃起不全・射精障害・精液量減少(頻度1%未満)
- ほとんどの場合で服用中止により症状は改善
これから子供を作ろうと考えている方は、服用を避けた方が賢明です。
過敏症
いわゆるアレルギーのこと。
胃薬など体に対する作用が緩やかな薬だとしても、過敏症のリスクはあります。
- かゆみ・発疹・赤みなど
発生頻度は不明ですが、皮膚や口腔内に変わったことがあったら、すぐに飲むのをやめて病院を受診するようにしてください。
肝機能障害
頻度は不明ですが、数例、肝臓にダメージが出ている症例があります。
- 疲れやすい
- 急にお酒に弱くなった
- 皮膚や白目が黄色っぽい
気になる症状があったり、血液検査で肝臓の数値に異常が出ている場合、服用を中止して医師に相談してください。
その他(乳房圧痛・乳房肥大・抑うつ症状・めまい)
上記以外にも、プロペシアの試験にて以下の副作用が報告されています。
- 乳房圧痛・乳房肥大・抑うつ症状・めまい
- 男性ホルモンが減少しホルモンバランスが乱れたことが原因と考えられる
ほとんど現れた報告はないので、それほど心配はいりません。
ミノキシジルタブレットの併用は副作用が出やすいので注意
ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット)は通称ミノタブと呼ばれており、フィナステリドとの併用をオススメするネット記事が多いです。
確かに外用として使用するよりは内服薬の方が体に与える影響は大きいですが、フィナステリドとの併用は副作用リスクが大きくなるので注意が必要です。
- 肝臓が弱い方
- 血圧の薬(降圧剤)を飲んでいる方
- 低血圧の方
上記の場合は、副作用が大きく出てしまう可能性が高いです。
ミノキシジルタブレットの副作用については、こちらの記事も参考にしてください。
ミノキシジルタブレット。副作用のリスクが大きいのでオススメしません
フィナステリドとミノタブの併用は、副作用リスクを考慮してよく検討するようにしてください。
外用薬のミノキシジルにも副作用はありますが、内服薬に比べるとその発現率は微々たるものなので、心配はいりません。
フィンペシアの副作用で、一番心配なのは勃起障害など性機能障害ですね。
キノリンイエローの危険性。問題ないが、飲まない方が安心
キノリンイエローには発がん性がある可能性が指摘され、キノリンイエローを使用しているフィンペシアも危険と言われてしまったんです。
しかし実際のところ、キノリンイエローに発がん性は認められていません。
キノリンイエローは日本国内でも医薬品・化粧品に対する使用が認められており、特に問題なく使用されています。
そもそも医薬品や化粧品に使用する量はごくわずかであり、毎日飲む薬に入っていたとしても体に影響を与えるような量ではありません。
ただ「キノリンイエローは危険」という意見がネット上で広まってしまったため、現在ではキノリンイエローが入っていない(キノリンイエローフリー)フィンペシアが主に販売されています。
キノリンイエローが入っていても問題ないと考えられますが、添加物が少ないに越したことはないですよね。
フィンペシアの注意事項
サプリメント・健康食品に比べて危険性が高いため、注意すべきことを必ず覚えておきましょう。
初めて飲むときには病院を受診しよう
プロペシアを含めAGAの薬を飲んだことがない方は、まず病院を受診するようにしてください。
病院では肝機能や併用薬、持病などからフィナステリド(プロペシアやフィンペシア)を飲めるかどうかを調べてもらえます。
また、脱毛がそもそもAGAなのかどうかを診てもらう必要があります。
自己判断で医薬品を飲むことはオススメできません。
最初は必ず病院を受診して、2回目以降安定したら個人輸入に切り替えるのが正解です。
女性や子供に触れさせない
フィンペシアなどフィナステリド製剤は、男性専用の薬です。
女性や子供が飲むのは禁止ですし、触るのも皮膚から成分が吸収されるため、危険とされています。
特に妊婦がフィンペシア製剤に触ってしまうと、胎児に影響が出る可能性があるため絶対にNG。
家族がいる方は保管場所に注意してください。
肝臓の状態に気を配る
ただ肝臓が極端に弱っていると、副作用が出やすくなってしまいます。
- 深酒をした日は薬を飲まないようにする
- 肝臓が弱っているのを感じたら、薬をやめて病院で健康診断を受ける
このような配慮は大切ですね。
薬を飲んでいるというだけで肝臓に負担をかけているので、できるだけお酒は控え目にするようにしてください。
病院を受診したときには薬を飲んでいると伝える
「薬を飲んでいる」ことは間違いないので、病院や薬局に行った際には服用していることを伝えてください。
検査値や病態を見る際に、飲んでいる薬を考慮する必要があるからです。
フィンペシアと言っても伝わりにくいので、プロペシアのジェネリックと言っても良いと思います。
それでも医薬品であることは変わりないので、取り扱いには十分注意してください。
フィンペシアとプロペシア。添加物や価格は異なるけど、有効成分は全くおなじ。
プロペシアとフィンペシアの違い
男性型脱毛症(AGA)治療薬であるプロペシアと、フィンペシアの違いについて見てみましょう。
プロペシア1mg | フィンペシア1mg | |
---|---|---|
有効成分 | フィナステリド1mg | フィナステリド1mg |
添加物 | 結晶セルロース・乳糖水和物・部分アルファー化デンプン・デンプングリコール酸ナトリウム・ジオクチルソジウムスルホサクシネート・ステアリン酸マグネシウム・ヒプロメロース・ヒドロキシプロピルセルロース・酸化チタン・タルク・三二酸化鉄・黄色三二酸化鉄・カルナウバロウ | 酸化チタン その他不明 |
製造元 | MSD株式会社 | Cipla社 |
日本国内の規制区分 | 処方せん医薬品 | 未認可医薬品 |
1か月あたりの費用 | 6,000円~1,2000円くらい | 760円~2,000円くらい |
有効成分
どちらもフィナステリドであり、用量も1mgで同じです。
プロペシアには0.2mgの商品もありますが、持病など副作用が出やすい方向けですね。
添加物
フィンペシアは未認可医薬品のため、細かいデータがありません。
添加物は外箱に記載がある、酸化チタン以外は不明ですね。
ただし国内で承認されているプロペシアのジェネリック医薬品も、添加物はプロペシアと異なっています。
製造元
プロペシアの製造元であるMSD株式会社は、アメリカに本社がある超大手医薬品会社。
一方フィンペシアの製造元のシプラ社は、インドに本社があるインドで2番目に大きなジェネリック医薬品製薬会社。
ジェネリック医薬品により、貧困層や発展途上国の国民にも薬が渡るようにした、実に功績の大きい有名な会社ですよ。
日本国内の規制区分
フィンペシアは日本国内未承認薬のため、入手方法は個人輸入に限られています。
プロペシアは処方せん医薬品のため、個人輸入か病院で医師に処方してもらうことで入手できます。
1か月あたりの費用
AGA治療は保険診療ではなく自由診療なので、薬代・初診料・再診料は病院が自由に設定できます。
- 病院にかからないともらえない
- 価格にかなり幅がある
- 1か月分8,000円~10,000円程度
- 個人輸入のサイトから購入
- サイトにより価格が異なる
- 100錠入りを購入すれば、1か月分を1,000円以下に抑えることが可能
プロペシアと同じように使うことができます。
【最終評価】フィンペシアはAGAにオススメできる医薬品
- インドで作られた薬で、国内で使用されているプロペシアと主成分が全く同じ
- 添加物や国内での承認区分は異なるが、服用患者数も多く製造会社もちゃんとしている
- 長い期間続ける必要のあるAGA治療を、安価で継続できる
最初は薬が必要かどうか・飲めるかどうかの検査が必要ですので、自己判断で医薬品の服用を開始せず、病院に行くようにしてくださいね。
AGAは初期であれば初期なほど、治療効果が出やすい病気です。
脱毛や薄毛が気になるなら放置せず、フィンペシアを飲むことを考えてみてください。
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